ぼくの近代建築コレクション
東京の都心と下町を中心に、戦前に建てられた古い建物の写真を投稿していきます。
 





中村屋乾物店。香取市佐原イ1902
2003(平成15)年7月20日

香取街道の忠敬橋のすぐ東、つまり本宿側にある重厚な蔵造りの商家。1992(平成4)年に県の指定有形文化財になっている。以下、『千葉県>千葉県教育委員会>中村屋乾物店』から引用する。
中村屋は江戸時代の創業以来の乾物商。屋号は香取郡多古町(たこまち)中村の出身であることにちなんだものという。
店舗は、1892(明治25)年12月に発生した大火後に建築された。完成は1894年頃らしい。この時の火災は協(かなえ)橋(現忠敬橋)を中心に 1,200 棟の家屋が焼失した。そのため佐原では防火を意識して、土蔵造りの建物が多く建てられた。中村屋の壁は1尺5寸(45cm)である。間口は3軒で、1階は畳敷と通り抜け土間のある店構え、2階は屋根裏を表した倉庫になっている。1階の正面は揚戸と土間の建て込み、2階は観音開きの土戸。
店舗の裏に文庫蔵があるが通りからは見えない。文庫蔵は店舗から1間程離れて建つ3階建ての建物。1階と2階は明治18年(1885)の建築、3階は店舗とともに明治25年(1892)の大火の前の形で再建されたもので、2室続きの座敷になっている。そこが居間である。
店舗2階の土戸は日中は開けているらしいが、そのため壁の厚さが観察できる。戸の内側に「諸国乾物類」「松魚節」「勝男節」「祝儀道具」と書かれた木の看板がはめてある。
暖簾や雨どいに〇に平のマークがついているが、どこから来たものなのだろう。
小野川と佐原の町並みを考える会>東日本大震災からの復旧』によると、2011年の東日本大震災では「店蔵造りの店舗は大棟全体及び背面の屋根瓦等破損、正面2階東側に大きな亀裂、1階下屋部の両脇にも亀裂と傾き」「文庫蔵にも壁面の亀裂や屋根瓦の損傷」して、屋根瓦の全面葺き替え、亀裂の補修、雨戸の取り換え等の工事を行い、2012年に修復修理が完成した。

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